再生医療(APS療法)のご案内
再生医療「APSを用いた変形性関節症治療」のご案内
再生医療(APS療法)の治療を行うには、「厚生労働省 再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき申請・認可を受ける必要があります。当院では、2021年(令和3年)5月に認可を受け、同年8月より整形外科分野で「PRP(多血小板血漿)療法」を導入いたしました。「PRP療法」とは、患者さんご自身の血液から治療に必要な成分を抽出し、痛みや炎症の強い部分に注射する方法です。当院では、変形性関節症に用いられている「APS療法」を採用しております。
再生医療(APS療法)のご紹介
治療の長所と短所
長所
- 自己組織由来なのでアレルギーが起こりにくい
- 日帰りで処置が可能である
- 治療後から普段の生活が可能である
- 治療手技が簡単で、治療痕が残りにくい
- 何度でも受けることができる
- 超急性期、急性期、亜急性期、慢性期のどのタイミングでも受けることができる
- 関節、筋、腱、靭帯、骨など運動器の大半に対して治療を行うことが可能である
短所
- 変形性関節症を根本から治す治療ではない
- ご自身の血液を使用するため体調や年齢などに左右され、場合によっては安定した効果が出にくいことがある(治療効果・効果の持続期間には個人差がある)
- 数日間、炎症(痛み・熱感・赤み・腫れ)を伴う場合がある
- 一度に広範囲の治療を行った場合、硬さ・しこりが残ることがある
- 採血部位・治療箇所に皮下出血や感染症が起こる場合がある
- 適切な物理負荷を加えないと、治療部位が硬くなり長期的な痛みの元になる可能性がある
- この治療には社会保険や国民健康保険など公的医療保険の適用を受けることができない
治療の流れについて
本治療は、日帰りで終わります。原則として麻酔は必要ありません。
- 採血: 患者さんの血液を約55ml取ります
- PRP製造: 血液を遠心分離機にかけ、PRPを作製します
- APS(濃縮PRP)抽出: 再度、遠心分離機にかけAPS(濃縮PRP)を抽出します
- 施術: APS(濃縮PRP)を注射器で膝関節腔内に注射します
ご注意
- 治療当日は激しい運動や飲酒、マッサージなど治療部位に刺激が加わるようなことはお控えください。痛みを強く感じるときは、患部を冷やしたり、適宜医師より処方された鎮痛剤を服用してください。
- 2~3日は安静に過ごしていただき、1週間後からリハビリ・トレーニングを開始します。
- 治療の経過観察のため、1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後にご来院ください。ご来院できない場合は、あらかじめご了承いただいた上で、当院よりアンケート用紙を送らせていただきます。ご記入のうえご返送くださいますようご協力よろしくお願いいたします。
他の治療法との比較
変形性関節症の痛みに対する代表的な治療法としてヒアルロン酸注入があります。APS(濃縮PRP)治療を実施しない場合には、この病院で行っている治療法のうちその人に最も良いと考えられる治療法により治療を行っていくことになります。ヒアルロン酸は関節腔内に注入されるとクッションのような働きをし、痛みを和らげる効果があります。APSやPRP治療との直接比較による効果の優劣は不明ですが、以下のような違いがあります。
APS(濃縮PRP) | PRP | ヒアルロン酸注入 | |
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概要 | 関節腔内に投与することで、損傷した患部の疼痛を和らげる効果がある また、組織を修復する効果が期待できる |
関節腔内に投与することで、損傷した患部の疼痛を和らげる効果がある また、組織を修復する効果が期待できる |
腔内に注入することで、クッションのような働きをし、痛みを和らげる効果がある |
効果持続期間 | 最大36ヵ月程度 | 6〜12ヵ月程度 | 6ヵ月程度 |
治療後のリスク (注入部位の痛み、 腫れなど) |
リスクはほとんど変わらない | リスクはほとんど変わらない | リスクはほとんど変わらない |
品質の安定性 | PRPは患者さんご自身の血液から製造するため、患者さんごとに品質がばらつく可能性がある | PRPは患者さんご自身の血液から製造するため、患者さんごとに品質がばらつく可能性がある | 医薬品として承認されており、品質は安定している |
アレルギーの可能性 | 自家移植のため極めて低い | 自家移植のため極めて低い | 品質管理されており、安全性は高いが、アレルギー反応などの可能性を完全には否定できない |
治療にかかる費用とお支払いについて
この治療は公的保険の対象ではありませんので、当院所定の施術料をお支払いいただきます。
施術料 | 原則300,000円(税込)※ |
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※現在、キャンペーン期間につき
250,000円(税込)となっております。
ご注意
本治療には、遠心分離(2回)によるPRPの製造費用および投与費用、投与から1・3・6ヵ月後の検診費用が含まれます。また、本治療を取りやめた場合、治療を取りやめた時点までに使用した消耗品費用をお支払いいただきます。
- 採血前に治療を取りやめた場合、消耗品費用のお支払いはございません。
- 採血後から投与前までに治療を取りやめた場合、200,000円(税込)をお支払いいただきます。
なお、施術後、患者さんの個人的な事情及び金銭等に関する問題に関しては一切の責を負いかねますのでご了承ください。
お問い合わせ
この治療について、ご心配なことやわからないことがございましたら、担当医師または相談窓口までお問い合わせください。
担当医師
山田 正寿