診療科:放射線科 紹介

   放射線科では、多種多様な医療機器を駆使して、診断・治療に寄与する画像の作成および画像診断レポート作成を 主な業務としています。そのほか、肝細胞癌に対する治療や出血に対する止血術、ドレナージなども積極的に行っています。

CT検査
   これまでのPhilips社製の256 sliceのMDCTである Brilliance iCTに加えて、2017年2月にSiemens社のDual Source CT であるSOMATOM Driveが、国内一号機として導入されました。Driveは、大きな出力を有する管球および128 sliceの検出器を2つ搭載しています。 Dural Source CTでは、これまでのCT装置に対して、超高速での撮影が可能となりました。冠動脈CTでは、これまで以上にきれいな画像を得る ことができる様になりますし、状態不良の患者様や認知症の患者様の様な、息止めが困難な患者さまでも、良好な画質を提供可能できるように なりました。その他、Dual Energy CTによる物質弁別や低管電圧撮影による造影剤低減などもこれまで同様に可能です。低管電圧撮影では、 これまで以上の造影剤量低減が可能になりました。また、もともとの画質が優れているために、患者様の被ばく量についても、より少なく する事が可能になりました。iCTもハイスペックな機械であり、逐次近似再構成などを駆使して、これまで同様に良好な画質を保ちながら、 低管電圧撮影、低被ばく撮影が可能です。

MRI検査
   Philips社製の3.0T MR装置であるIngenia 3.0T、Siemens社製の1.5T MR装置であるMAGNETOM Avantoが稼働しています。 3.0T のMR装置は、1.5T のMR装置よりも、強い磁場を利用できるため、信号も強く、良好な画質を得ることができますが、アーチファクトに 弱い弱点もあります。対照となる検査部位および患者様の状態次第では、1.5T MR装置での撮影を行っています。また、MR対応ペースメーカーは、 ほとんどが1.5T対応ですので、1.5T MR装置での検査となっております。認知症関連の検査で、脳の萎縮を定量的に評価するVARADについては、 1.5Tでの検査になります。なお、MRI検査については、CTと異なり目的とする病変や領域などの制約がある場合が多いため、検査内容について 不明な点がある場合には、放射線科までご一報いただければ幸いです。
   3.0T MR装置については、共同研究契約を締結していますので、通常の病院ではできない検査も行っています。

IVR (vascular IVR, non-vascular IVR)
   当院では、IVR-CT装置として、上記のiCTにSiemens社製の血管造影装置のAXIOM Artis-Uを組み合わせた装置を用いて治療、 検査を行っています。肝臓癌に対する肝動脈化学塞栓療法(TACE)、外傷などによる出血に対する止血術、動脈瘤コイル塞栓術などの他、肺腫瘍に 対するCTガイド下経皮的肺生検、腹腔内の腫瘍などに対するCTガイド下経皮的生検、CTガイド下膿瘍ドレナージ、CTガイド下RFAなども行っています。 近年では、画像ガイド下でのnon-vascular IVRへの要求が高く、検査・治療件数が飛躍的に増加しています。

その他
   当科では、Drive導入にあたり、超低線量での胸部CT検診も開始しております。具体的には、胸部単純CT検査を、胸部単純写真数枚の 被曝量にて行います。胸部単純CT検査は、胸部単純写真と異なり、高い空間分解能を有しており、小さなGGNなども検出可能です。詳しくは、検診センター へお問い合わせください。